2021年にフルモデルチェンジしたホンダ ヴェゼルは、先代とまるで大きく変わったデザインによって賛否両論別れたが、私自身は大変好みであったため購入に至った。
現在は手放してはいるものの、今だ良い車であったという印象は残っている。
とはいえ、良い点しかなかったかと言えばそんなことはなく、せっかくなので記憶を頼りにまとめてみたいと思う。
ちなみに私が購入したグレードはZ、2WDである。
良いところ
燃費が良い
まずはこれ。
カタログ値で24.8km/l(WLTCモード)であり、私の走行環境ではあるが、常にノーマルモードで春~秋は約20km/l、冬場は18km/l程度であった。
走行環境(夏)としては以下の通り。
カタログ値よりは低いが、私自身としては20km/l走れば十分に合格だと考えている。
ただし後述するが排気量は1.5lであり、やや非力さを感じる場面でアクセルを踏み込むと極端に燃費は悪くなってしまうのは注意ポイントである。
後部座席の膝前空間が広い
これはヴェゼルの売りの一つであると考えている。
後部座席に座った時の膝前空間の広さは、コンパクトクラスSUVではトップクラス(というかトップかも)、ミドルクラスSUVと比較しても全く劣っていない。
それこそ、”膝前空間”にフォーカスすれば私の現車であるCX-5とほぼ変わらない印象である。
同じコンパクトクラスでいえば、マツダCX-30、トヨタ ヤリスクロスは後席は相当に狭く、ファミリーカー用途としては推奨はできないが、ヴェゼルに限っては十分その用途になりうる。
維持費が安い
燃費とも関わってくる事項だが、排気量1.5lは維持費も魅力的である。
コンパクトクラスはこの排気量である車両も多いが、1.8l、2lなどの車両もあるし、ミドルクラスとなれば、2lを超えてくる。
維持費の面を考えれば、あのサイズで1.5lである点は魅力の一つであると考えている。
内外装の質感が高い
“質感”という主観的/抽象的な尺度とはなってしまうが、当該車両は他社同クラスと比較して質感が高いと考えている。
個人的に最も素晴らしいと考えているポイントは外装にあり、ホイールアーチモールのピアノブラック塗装である。
SUVは一般的に、この箇所が無塗装樹脂である場合が大半で、むしろそれこそがSUVらしさの象徴であるという人もいる。
しかし、この箇所を塗装する上位グレードのSUVも多く、それはつまり”フェンダーアーチモールの塗装”=”高級”であることを指しているといっていいだろう。
※例)マツダ CX-60、トヨタ ハリアー(PHEV)、ホンダ ZR-V等
コンパクトクラスでありながらこういったデザインとなっていることは、非常に高評価できるポイントであると考えている。
センタークラスター(特にエアコン)のデザインが良い
ヴェゼルは内装の質感が良いと言われているが、その一つにセンタークラスターのデザインがあると考えている。
特に素晴らしいポイントが、エアコンの温度調整ボタン(ダイヤル)である。
このダイヤルのクリック感が大変良く、国産車ではあまり感じることができないレベルだと思う。
実高級車/高級グレードになるにつれ、この物理ボタンが無くなっていき、すべてタッチパネル式になるのが最近の主流だが、その中でもしっかりと操作しやすい物理ボタンを残し、なおかつ質感にも妥協しないのは大変すばらしいと感じた。
更に、温度を上げればボタンのLEDが赤に、温度を下げれば青に変わる点もギミックとして面白い。
ヴェゼル/フィット/ZR-V/シビック等で共通で使われている当該箇所は、ホンダ車で良いポイントの1つであると考えている。
悪いところ
加速・加速感がいまいち
すでに述べているように、当該車両は1.5l(ハイブリッド)である。
ボディサイズのわりに燃費が良く、更に維持費も魅力的と述べたが、一方で、加速は良くない。
やはり4人乗りで坂道等々加速が必要な場面では、もうちょっと頑張ってほしいという場面がいくつかあった。
もちろん、普段の通勤使用ではそういった場面はないため、限定的なシチュエーションにはなるが、この点は挙げておく。
また、加速感について。
ここでいう”加速感がいまいち”というのは、例えばスポーツモードにしてグッと踏み込むと、疑似的なエンジン音が大きくうなるが、その音と加速が合っていないということを指す。
エンジン音の演出は”運転している感”があっていいのだが、やはりそれなりの加速が伴っていてほしいというのが私個人感じた点である。
トランク(ラゲッジスペース)が狭い
これは、コンパクトクラスである点と後部座席の居住性を考えれば妥当ではあるのだが、一応不満点として挙げておく。
無論、普段使いには必要十分な量ではあるのだが、複数人で外泊を伴う遠出であったり、アウトドア関連で荷物が多かったりする場合には、やや窮屈に感じる場面があった。
※二人またはぎりぎり3人であれば問題ないかも。
後発のWR-Vはラゲッジスペースが広いようなので、この点を重視する場合はWR-Vも視野に入れておくべきだと思う。
後席アームレストの仕様が悪い
これは当該車両をレビューしたことがある人なら誰しもが指摘するであろうポイントである。
普通、後席のアームレストは座面に対し水平な位置に止まる(倒した際に途中で止まる)はずだが、当該車両は止まらず、座席に付いてしまう。
はっきり言ってこれは酷いし、理解不能な仕様である。
普通に考えれば見たことが無い仕様なので、設計不良では?と疑ってしまうほど。
まぁ使えなくはないのだが、不便すぎて、、
マイナーチェンジでぜひ直してほしい箇所の筆頭である。
※以下のように今のところ予定はないようだが。
アームレストが短い
アームレスト続きとなってしまったが、これは前席での指摘である。
アームレストが短く、その役割を十分に果たせていない。
とはいえ、これに関しては車種・内装のデザインによって様々であり、事実、私の現車のCX-5でも短い。
一方で、CX-60やハリアー等の車両では十分な長さがあった。
これは大きな不満ではなく、”長ければもっとよかったのに”といったレベルである。
足回りが固い
これも巷でよく言われていることであるように思う。
試乗時に驚いたが、とにかく固く、ゴツゴツ感を感じやすい。
滑らか路面では非常に静かに走るが、実際にはそこまで滑らかな道路は一般道ではないので、常時この固さを感じることが多い。
とはいえ、この固さが好みである人もいるかとは思うし、むしろ柔らかいフワフワした感じの方が酔いやすいという人もいるので一長一短ではある。
が、私個人としてはやはり固すぎた印象だったので、この点を挙げておく。
頭上空間が狭い
ヴェゼルはコンパクトSUVともあって全高はそれほど高くないが、一方で着座位置はやや高めであるから、乗車者全員の頭上空間にあまり余裕がない。
もちろんぶつかるほどではないが、一度気になってしまうと、若干その圧迫感がなかなか頭から離れない。
それこそ、ミニバンやスライド式の軽自動車は頭上空間がたっぷりと取られており開放的で、それらに乗った後だとより顕著に差を感じてしまう。
まとめ
元オーナーとして日々感じていたポイントをまとめてみた。
現車に乗り換えたのも、ヴェゼルに不満があったからといったネガティブな理由ではなく、ヴェゼルも捨てがたいけど、、、といった気持だったので、未だにヴェゼルは良い車だと思っている。
私が購入した際は、Zグレードで約289万円と、比較的コスパが良かったのも購入に至った理由の一つである。
人によって気になるポイントは異なるので、購入の際は数回の試乗・他者レビューの熟読をお勧めする。