2023年9月、CX-5の年次改良内容がカタログによって明らかとなり、多くの変更点があった。
私が気付いた範囲で内容をまとめたいと思う。
新グレード追加/特別仕様車の設定変更
最も大きいのはこれ。
特別仕様車であるRETRO SPORTS EDITON(レトロスポーツエディション)が追加となった。
一方でこれまで特別仕様車だったエクスクルーシブモード、スポーツアピアランス、フィールドジャーニー、ブラックトーンエディションは特別仕様車ではなく、それぞれがグレード名称となったようである。
レトロスポーツエディションのベースグレードはブラックトーンエディションであることから、価格としてはエクスクルーシブモード、スポーツアピアランスの方が高いということになる。
価格は次項にまとめていく。
レトロスポーツエディションの特徴は何といってもそのシートで、テラコッタxブラックのツートン配色となっており、改良前には無かった色であり注目する方も多いと思われる。
また、エクステリアに関しても、これまでのスポーツアピアランスのように、樹脂面がブラック塗装されており、高級感がある。
価格も高すぎず、人気グレードになりそう。
グレード廃止
プロアクティブ、Lパッケージのグレードは廃止された。
たしかにあまり選択している方がいない印象だったので、妥当かなとも思う。
ボディカラー追加
プラチナクォーツメタリックが追加となった。
CX-8やCX-60で見かけたことがあるが、無償カラーとは思えないほど高級感に溢れているので、今後このカラーを選択する方もたくさん出てくるのではないかと思っている。
カラー選択については以下記事にまとめている。
価格変更
値上げは以前から噂されていたが、予想通り値上げされた。
ガソリンモデルの価格については下表の通り。
名称 | 価格(万円) ※ガソリンエンジン | 差額(万円) | |||
2WD | 4WD | ||||
改良前 | 改良後 | 改良前 | 改良後 | ||
Smart Edition | 277 | 291 | 300 | 314 | 14 |
Proactive | 廃止 | – | |||
Black Tone Edition | 307 | 324 | 330 | 347 | 17 |
Field Journey | – | 327 | 352 | 25 | |
L Package | 廃止 | – | |||
Sports Appearance | 335 | 358 | 358 | 381 | 23 |
Exclusive Mode | 362 | 廃止 | 385 | 廃止 | – |
Retro Sports Edition | – | 342 | – | 366 | – |
ディーゼルモデルに関しては下表の通り。
名称 | 価格(万円) ※ディーゼルエンジン | 差額(万円) | |||
2WD | 4WD | ||||
改良前 | 改良後 | 改良前 | 改良後 | ||
Smart Edition | 306 | 323 | 332 | 346 | 14 |
Proactive | 廃止 | – | |||
Black Tone Edition | 339 | 356 | 362 | 379 | 17 |
Field Journey | – | 359 | 384 | 25 | |
L Package | 廃止 | – | |||
Sports Appearance | 367 | 390 | 390 | 413 | 23 |
Exclusive Mode | 394 | 399 | 417 | 422 | 5 |
Retro Sports Edition | – | 375 | – | 398 | – |
値上がり幅は最小でエクスクルーシブモードの+5万円、最大はフィールドジャーニーの+25万円である。
しかし、これは単純な車両本体価格の値上げというとそうでもない。
詳しくは次項の各グレードにてまとめていく。
各グレードの変更点
スマートエディション
年次改良前はガソリンモデル2WDで約277万円と超が付いてもいいほど安価かつコスパがよかった当該グレードは、約14万円の値上がりとなった。
また、このグレードにはメーカーオプションが無くなった。
それに伴い、これまでのMOP(メーカーオプション)は以下の通りとなる。
以前は、上2つのMOP価格が約9万円弱だったので、今回の値上がりにはそれが反映されている。
したがって、今回の値上げ幅が約14万円なので、実質的な車両本体価格の値上げは5万円ほどになる計算。
しかしながら、値上げよりも③が選択不可となったのは大変な痛手だと感じている。
数あるMOPの中で、CX-5において必須といえるものが選択できなくなった以上、スマートエディションの魅力が本当に値段(コスパ)だけになってしまったなという印象。
ブラックトーンエディション
ブラックトーンエディションの値上げ幅は約17万円。
スマートエディション同様、内外装に変化はなく、こちらもMOPの標準装備化で値上がりしている。
具体的には以下の通り。
したがって、①~④が標準装備となった分、約13万円分は車両価格に反映されているということなので、実質的な値上げ額は17-13=4万円ほどということになる。
個人的に、①/②はこれまでも必須、③以降は予算に余裕があればといったMOPのイメージだった。
特にこのグレードは、MOPさえ絞ればコスパ最強だったので、この標準装備化は一長一短かなと考えている。
フィールドジャーニー
かなり様変わりしたグレードの1つといえる。
ちなみに私はこのグレードのオーナーである。
※理由は下記記事より。
アクセントカラーであったライムグリーンは内外装ともに全て廃止。
当該グレードは、賛否両論(実際には否が多いイメージ)あったとはいえ、良く言えば無駄の無い、悪く言えば味気ないCX-5の中で個性を放っていたグレードであった。
私自身、ライムカラーの絶妙な色味とフロントグリルのアクセント、エアコンのカラーリングも抜群に好きで購入したグレードなので、これらの廃止は正直に言って大変残念である。
せめてフロントグリルのアクセントくらいは残してもよかったのではと思う。
とはいえ、どちらかといえば不人気グレードだったことは確かであり、この変更が全く理解できないということはなく複雑な心境というのが正直なところ。
さて、値上がり幅については、約25万円と最も値上げされたグレードとなった。
無論これも基本的にはMOPの標準装備化によるもの。
したがって、①~④が標準装備となった分、約16万円分は車両価格に反映されているということなので、実質的な値上げ額は25-16=9万円ほどということになる。
やや値上げ幅が大きいようにも思われるが、他と比較して内外装に変更があるため致し方ないところかなと思う。
スポーツアピアランス
個人的高級感ナンバーワングレード、スポーツアピアランスも外装の変更が入っている。
フィールドジャーニー同様、フロントグリルのアクセントが無くなった。
初代ロードスターと同じクラシックレッドをアクセントにした、という遊び心とセンスは大変すばらしいと感じていたので、これもフィールドジャーニーと同様、個人的には残念な変更点。
加えて、グリル形状も変わり、これまでの水平基調から縦型に変わった。
この変更については、他グレードと差別化もできるし、高級感も増すため好印象である。
さて、値上がり幅については約23万円となっている。
MOPの標準装備化は以下の通り。
元々上位グレードでMOPが少なかったこともあり、実は①のみ標準装備化。
したがって、本体価格の値上げ幅は約21万円となる。
これだけ聞くと大きな値上げだが、外装とMOP以外にも変わったところがある。
それは待望のシートベンチレーション。
これまでは最上位のエクスクルーシブモードにしか設定がなく、スポーツアピアランスが欲しいもののシートベンチレーションが無い、、と諦めていた人も少なくなかったと思う。
値上げ幅は大きいが、シートベンチレーション追加の価値はかなり大きいと思われるので、このグレードも売れ筋になりそうではある。
エクスクルーシブモード
最上位エクスクルーシブモードは、ガソリンモデルが廃止となった。
また、もともとMOPが一つで(厳密にはハンズフリー⇒パワーリフトゲートへのダウングレード化)、サンルーフのみであり、そこの変更はないので、ほぼ車両本体価格値上げの+5万円のみ。
一方で、外装に関してはスポーツアピアランスと同様、フロントグリルが縦型となるが塗装が異なる。
スポーツアピアランスはピアノブラック塗装、エクスクルーシブモードはガンメタリック塗装となり、ここで差別化が図られているようである。
ホイールに関しても、サイズは変わらないが、シルバーメタリック塗装から、高輝度ダーク塗装に変わっている。
外装に関して、全体的に細かい箇所の変更が多いが、印象は結構変わりそうだなと。
まとめ
大きな変更点をまとめると、
・プロアクティブ/Lパッケージグレードの廃止。
・レトロスポーツエディションの追加。
・メーカーオプションの標準装備化に伴う価格上昇+本体価格値上げ。
・スマートエディションでは10.25インチナビ選択不可。
・フィールドジャーニーのライムカラー廃止に伴う内外装大幅変更。
・スポーツアピアランスのフロントアクセント廃止、フロントグリル縦型化、シートベンチレーション追加。
・エクスクルーシブモードのガソリンモデル廃止、フロントグリル縦型化。
こんなところかなと。