トヨタの人気SUVであるカローラクロスは、グレードにもよるがメーカーオプションにてパノラマルーフを付けることが可能である。
※パノラマルーフ≒サンルーフ、ムーンルーフ
このパノラマルーフの取付是非については、数多あるオプションの中で極端なものだと思っていて、絶対につけたいという人がいる一方で、全く興味すら無い人も多い。
私もかつては後者であり、パノラマルーフのオプションなんて見向きもしなかった。
しかしカローラクロスの実車を見てからその考えは変わり、取付要否や必要性について検討するようになった。
※カローラクロスのマイナーチェンジについての記事は下記。
カローラクロス以外にも数度パノラマルーフを経験した私が、その要否について私見を述べる。
パノラマルーフ実車写真
何はともあれ、まず自身がカローラクロス実車を確認した時の写真を載せてみる。
写真から分かっていただけるかとは思うが、感想としてはとにかく開放感がとんでもない。
後席はフロントガラスが遠いため、やや景色が見えにくいが、こういったパノラマルーフがあると後席の居住性・快適性は大きく向上する。
そしてカローラクロスのパノラマルーフは、トヨタ車あるいは他社と比較してもそのガラス面積が大きいのも特徴の一つ。
以下は60ハリアーの写真であるが、一般的にはこのように仕切りのようなものがある場合が多い。
カローラクロスはパノラマルーフ内に視界の邪魔になるものが一切ないので、パノラマルーフ装着の恩恵は相当に大きい。
装着によるメリット
以下、私見ではあるが装着によるメリットをまとめてみる。
内容としてはカローラクロス特化というより、一般的なパノラマルーフ装着時の内容にはなるかと思う。
開放感
すでに述べているが、やはり最大の魅力はその開放感。
これは言わずもがなで説明不要かと思うが、装着車と未装着車では体感が全く異なり、極端な言い方をしてしまえば、前者は別な乗り物に乗っている感覚になる。
いわゆるアトラクションの乗り物、とまで言ってしまうと語弊が生まれてしまうかもしれないが、実際未装着車と比べるとそのくらいの違いは体感できるかと思う。
特別感
パノラマルーフをオプションとしている車両は少なくはないが、冒頭で述べた通り、そもそも当該オプションはマイナーなオプションに分類される。
事実、街中を見ても装着車は1割にも満たないと言っていい。
そんな中、自分の車には装着されているとなったらどうだろうか。
優越感とは言わないまでも、特別感というか所有満足度は非装着車に比べれば得られるのではないかと思う。
そして例えば知人や家族を乗せた時、おそらく大半の人はパノラマルーフ装着車に乗った経験が無いと思われるので、これまた羨望の眼差しの対象になるかもしれない。
四季・景色を感じられる
開放感を感じられるということは、当然車外の情報も顕著に得ることができるということである。
桜や紅葉、雪といった四季独特の景色をより強く感じられるのは、パノラマルーフ装着車だけの特権だと言っていい。
後席(特に子供)に好評
運転席/助手席もパノラマルーフの開放感は感じられるが、やはりより恩恵を受けるのは後席。
後席に人を乗せる機会が多いのであれば、非常に好評を得られると思う。
特に子供にとっては景色が良いことはメリットでしかないので、大変好評だと言える。
リセール
もちろん当該オプションは有償ではあるが、その分が回収できる程度にはリセールに好影響を与える。
付けたことによって車両の評価が下がるのでは、、、といった心配は全くなく、むしろオプションの中でも評価が高いものなので、リセールについての心配は全くない。
“迷ったら付けた方がいい”という理由の一つは、このリセールの良さにある。
装着によるデメリット
次にデメリットについて考えていく。
車外温度の影響を顕著に受ける
これがまず日々感じる大きなデメリットと言える。
当たり前だがパノラマルーフは開かないとはいえ窓なので、夏の直射日光はとにかく熱く感じる。
夏だけではなく、実際には春先からの明るい日差しですらかなりその日の強さを感じ、車内にいるとすぐ暑くなってしまう。
むろんこれは冬に関しても同様で、寒さの影響をより顕著に受けるわけたが、個人的にはやっぱり夏の方が辛い印象はある。
ある意味、曇りなど天気が悪い日の方が使いやすいというのも”サンルーフ”の名を考えれば皮肉なものだなと、、
日差しがきつい
日光が入る=熱い、暑いだけではない。
単純に日差しが眩しく、悪く言ってしまえば不快に思う場面も少なくない。
前席では運転に影響を与えてしまうし、後席ですらその居住性にマイナスの影響を与えてしまう可能性もある。
前述の”社外温度の影響”と合わせると、日差しが強い暑い日なんてのは相当にデメリットを感じやすい、というかデメリットしかないと言っていいのかもしれない。
雨の日のノイズが大きい
これも前述の通り、窓なので当然だが、雨音は通常のルーフに比べ大きい。
とはいえ、そのそも雨に日は窓やボンネットその他に当たる音は当然するので、極端に大きくなる印象はない。
手入れが必要
その開放感がゆえに、ガラスに汚れがあると結構目立ってしまう。
花粉、土埃や黄砂、水垢など様々な要素はあるが、こまめに洗車するなどケアしないと、せっかくの開放感が台無しになってしまい、むしろ汚れが目立つ不快な印象となってしまうリスクもある。
傷/破損時の代償が大きい
自身も含め周りでも聞いたことは無いが、もし破損した場合、その代償はとても大きい。
たとえば石や雹が当たった場合、ごくわずかな小傷であればいいのかもしれないが、基本的にはガラス窓なので、ヒビが入り割れてしまうリスクがある。
そうなると簡単に交換できるものではないというのは想像に難くなく、交換費用も相当なものであると予想できる。
こういった問題が発生する可能性は高くはないものの、万が一発生した場合には装着したことを後悔してしまいそうではある。
そして”可能性は高くない”としたが、昨今は日本でも雹の報告がちらほらあるので、ガレージ/カーポート等があるとなお安心だとは思う。
燃費に悪影響
これはそこまで影響が大きくないとは思っているが、パノラマルーフ装着分、車両重量が上がるので、燃費が若干悪くはなる。
とはいえカローラクロスの場合、パノラマルーフの重量は10kgなので、まぁ気になる程度ではないのかとは思う。
外から(若干)見える
透明な窓ガラスほどではないにせよが、上から見ると車内は若干見える。
見えるといってもかなり暗く、近づいてまじまじと見ない限りは問題ない程度だとは思っている。
たとえば隣がバスやトラックだった場合は、その高さから見下ろされている感が若干気になるかもしれないので、念のためデメリットとして挙げておく。
必要性を考察
結論から言うと、“絶対にいらない”という断固たる意志があれば付けない方が良いと思っているが、迷っているのであれば、思い切って付けることをお勧めしたい。
その理由は、それぞれメリット/デメリットを有するものの、総じてメリット>デメリットであると考えているからである。
まずメリットについては、やはりその他オプションとは比にならないほどの特別感・効果、および満足感があるといえる。
見た目(エクステリア)はほぼ変わらないが、室内の居住性・開放感については、前述の通りパノラマルーフ装着有無での差がとても大きい。
装着車両の割合が低く、リセールも良いとなれば、積極的に付けた方が後悔はしないと思っている。
デメリットに関しては、個人的に破損時の対応が相当に大変かとは思っているが、そういった事象が起きる確率は相当に低いし、実際そういった損害があった場合は、パノラマルーフが無くとも被害は大きい。
また、パノラマルーフの日々のデメリットは、やはり日差しの強さを感じる点だと思うが、それはシェードを閉じてしまえば(遮光)、全く問題が無い。
“せっかくパノラマルーフを付けたんだから”といって毎日使うのではなく、”最初から365日24時間使えるものではなく局所的に使えるもの(暑すぎず寒すぎない日、早朝や夕方から夜、曇りの日など)”と認識していれば、いざ使えない日々が多くても後悔は少ないと思う。
年に十数回しか出番が来ないかもしれないが、それでもパノラマルーフを使った時の開放感・高揚感というものは、捨てがたい特別感があると考えている。
まとめ
パノラマルーフの必要性について、今回はカローラクロスを例として考察した。
結論としては、“デメリットはあるがシェードをすれば解決でき、たまにしか出番がないかもしれないがそれでもパノラマルーフはとても魅力的である。したがって、迷っているのであれば付けることをお勧めしたい”というのが私の考えである。
しかし、傷・破損のリスクは常につきまとうので、それに日々神経をすり減らしたくない方は非装着とするのが無難であると思う。